暑熱順化で暑さに強い身体を作る
~熱中症対策は日頃の生活から~
※2020年の記事を加筆修正しました。
近頃は 春と秋が短くなったと感じるのは私だけでしょうか。。
昔(私が小さい頃?若い頃?)は、冬のあとに さわやかな春がきて、そこから徐々に暑くなって夏が来ていた記憶がありますが、最近は 春が短くて、冬が終わったかと思うと、急に夏になっちゃいますね。。
昨年から続く「自粛生活」で身体を動かす機会が減っている学生さんは特に!緊急事態宣言が解除されて、いきなり炎天下のグラウンドや熱のこもった体育館での練習をすると、体が思ったように動かず、本来の力が発揮できなかったりするはずです。
それだけならまだしも、実は、熱中症のリスクもグンと上がってしまいます。
暑いと身体はどうなる?
涼しい環境に比べて夏の暑い環境では、持久性運動能力(持久力)は低下します。私たち人間の深部体温(心臓や脳などの身体深部の温度)は、通常37℃前後に保たれていますが、
体を動かす
↓↓
筋肉から多量の熱が発生する
↓↓
更に、暑い夏は体外からも熱が侵入する
↓↓
内と外からの熱が そのまま体に蓄えられる
↓↓
深部体温が上昇する。
ということになります。
深部体温が40℃前後に達すると身体は「マジもう無理!動けん・・・」と、動き続けることができなくなります。
夏の暑い環境下で運動を行う際(とくに、部活動などの長時間の運動を行う際)は、体温の過度の上昇をいかに抑えるか、体の熱をいかに上手に放出するか、が鍵になってきます。
じゃ、それ、どうするの?
熱放散機能というものがあるじゃないか!
私たちの身体には、暑くなると体温が上がりすぎるのを防ぐために、熱を身体の外へ逃がそうとする2つの機能があります。皮膚血流反応 と 発汗反応 です。
あ~なんか難しいね・・・
■皮膚血流反応
皮膚の血管を広げて身体の内側から外側(皮膚)に血液をドワ~ッと送って、皮膚の表面から熱を逃がして、冷えた血液を内側に戻すことで体温の上昇を防ぎます。
だから、暑い時に水を触ったり、足を水に浸けたり、顔を洗ったり(丸坊主男子だったら頭ごと洗う?)すると、「あぁ~気持ちいいい~♪生き返るわぁ~♪」となるのは、このせいですね。
暑い時は、手足や顔を水に浸けるだけでも ずいぶんと効果があります。
この逆が冬にありますよね? 身体の外側(手や足)に血液を送ると熱が逃げてしまうから、そこの毛細血管をキュッと収縮させて あまり血液が行かないようにする。だから冬に手足が冷たいのは、深部体温を守るためにはとっても大切なことなんですよ♪
■発汗反応
皮膚血流反応だけで身体の熱を逃がすのが難しくなると発汗が始まります。汗をかいて、汗が蒸発するときの気化熱により身体の熱を外に出します。
だから、汗をしっかり正しくかける身体が「良い身体」なんです。「ずっと汗を抑えて~~」とか謳う製品は、私は個人的には「怖っ!!!」と思っています。
熱放散機能を鍛える「暑熱順化(しょねつじゅんか)」
先にご紹介した熱放散機能(血液と汗で体温を下げる機能)は、鍛えれば上がり、鍛えないと衰えます。
鍛える方法は、普段から体を暑さに慣らすこと(体温を上げること)で、上手に体温を逃がすことができるようになります。こんな風に、暑さに対応できる身体になることを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。
では、暑熱順化って、どうやったらいいのでしょうか?
そりゃ当然、運動をして汗をかくのが良いのは誰だってわかりますが、実はそれ以外にも普段の生活を少し工夫するだけで身体は変わるんですよ♪
■その1 冷房に頼らない生活を心がける
冷房の効いた涼しい部屋は気持ちいいですよ!ですが、汗をかかない生活をしていると、急に暑い環境にさらされたときに、体温を調整する機能を発揮できなくなります。
冷房の設定温度を高めにしたり、朝夕は室内に外気を取り入れたり、冷房に頼りすぎない工夫をしてみてください。本格的に暑くなる前に、少しずつ体を暑さに慣れさせましょう。
■その2 入浴
特に夏はシャワーだけで済ませてしまいがちな方が多いようですが、しっかりお風呂に入って(湯船に浸かって)、身体を芯から温めましょう。じわ~っと汗をかくのは、とても効果的です。
お風呂上がりはクーラーや扇風機etc.で急激に体温を下げるのではなく、バスタオルで汗を拭きながら、うちわなど自然な風で汗を蒸発させながら、汗をかく機能を鍛えましょう♪
■その3 有酸素運動
ウォーキングやジョギングなど、汗をかきながら行う有酸素運動は、当然ながらとても有効です。
よく無理をして身体を動かしているオジサマをお見かけしますが…。なんか、ダーッと無理してスピードを出して走っていたり、柔軟性のない歪んだ身体に鞭うって無理な運動をしていたり…。こういうことではなくて、身体が「気持ちいい」と感じる運動で、更には鼻呼吸が出来る運動です。ゼーハー口呼吸になってしまう運動は、じんわり汗をかくという観点からは「やりすぎ」です。
■注意! 常に適切な水分補給を
ここで、一番注意してほしいことは、常に適切な水分補給をしてください。
水分補給の仕方は、こちらの記事でご紹介しています→「人体実験「水」と「水分」は違う」。
一度暑さに順化しても、やめてしばらくすると、その効果は元に戻ってしまいます。そのため、一時的に…ではなく、日頃からの生活を見直してみましょう。
学生さんは、暑さに負けず、高いパフォーマンスを発揮するために、大人は、暑さに負けず元気に過ごすために、今から暑さに強い身体を作っておきましょう♪
人に偉そうに言ってる人(私)、ちゃんと運動してます(*^^*)
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