息子に教えたい「本当のマナー」

息子に教えたい「本当のマナー」

 

マナーとは、行儀作法をさすのですが、行儀作法だけ出来ていればマナーが良いかというと、それは全く違います。

私は、日本とオーストラリアの5ツ星ホテルでコンシェルジュとして勤務をしていましたし、退職後は息子が幼稚園に入るまでブライダルの司会者をしていました。ですので、日本のマナーのみならず、あらゆる国のマナーも習いました。

そこで習った「マナー」と、一般の方の思う「マナー」が大きく違っていることが気になり・・・。

今日は、そのことについて記事にしてみました。

 

 

マナーに拘るマナー違反

よく、マナーに拘るあまり、逆にマナー違反になってしまっている方をお見かけします。

実際にあった例は・・・、下の画像のように「拝み箸」で「いただきます」をされる方を見て、正直、嫌な気分になりますか?
(私は、全く嫌な気分にはなりません。)

確かに、正式な和食のマナーからするとNGです。し、これを正式な会食の場でするのも、時にリスクがあるかもしれません。

ですが、普段の会食の場で 画像(拝み箸)の「いただきます」を見た途端、鬼の首を取ったかのごとく「それ、マナー違反って知ってる?」と指摘する人がいるのを悲しく思っていました。
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私は、こちらの方が 余程マナー違反だと習いましたし、実際にそうだと思っています。

これは、たとえ親子関係であったとしても、このタイミングの この言い方は、やはりマナー違反です。

この「それ、マナー違反って知ってる?」の一言で、言われた人は「公開処刑」をされたような気分になってしまうのではないでしょうか。

それに、「これから美味しい&楽しい食事をする(*^^*)」という素敵な雰囲気にも水をさします。

もし、本当に相手の事を想って「それ、マナー違反だよ」って教えてあげたいなら、食事のあとで二人きりの時にコソッと伝えるとか、母親が子供に言うにしても、その場の雰囲気を壊さない言い方や伝え方は 沢山あります。

ですが、世の中には「私はマナーを知っています!」と認めて欲しくて仕方がなくて、誰かの間違いを指摘してマウンティング?アピール?してくる方の何と多いこと・・・(涙)

くれぐれも、こんな大人にはなって欲しくない・・・ので、小さい頃から旅行に行く際に、実際の例を見つけては「ああいう大人は素敵ねぇ~」と、息子に教えてきました。ここのポイントは、探すのは「いい例」です♪

どこまで記憶に残っているかは謎ですが・・・(^-^;

 

 

一番のマナーとは

五ツ星ホテルで習った「一番のマナー」とは、

・お客様に(たとえお客様が間違っていても)恥をかかせないこと

・お客様に笑顔で過ごしていただくこと

この2つが軸でした。

 

これを普段の生活に取り入れるなら

・一緒にいる人が恥をかくような言動はしない

・一緒にいる人が笑顔ですごせるようにする

・一緒にいる人を否定しない

という事だと思います。

だから、自分は最低限のマナーは守っていたいと思っていますが、出来ていない人を見て「公開処刑」のような教え方をするのはマナー違反になります。

でも、なぜ時に人は「公開処刑」をしてしまうのでしょうか・・・。

 

 

マナー違反になる「貧しい心」

公の場で、誰かに恥をかかせる癖のある人は、心が満たされていない人(貧しい心の持ち主)です。

誰かの間違いを指摘することによって「私は知っている」「私はすごい」「私はエライ」などを主張したい人であったり、そもそも相手に良い感情を持っていない人です。

それって、とても可哀想な「心」ですよね。

ですから、もしそんな人が周りにいたら「可哀想な人」と思って、許してあげるようにしましょう。そして、その人とは距離を置くようにしましょう。だって、本当に友達だと思っていたら、そんな言い方はできるはずがありませんし、友達と思っているのに、そんな「公開処刑」をしてくる人は、ただの心の貧しい&頭の悪い人ですから。

そして、もし逆に、自分が誰かのミスを「公開処刑」のような形で指摘したくなったりするようなことがあれば・・・。

その時は「出来ないコイツが悪い!」とか「教えてやってるんだから感謝しろ!」なんて開き直らずに、ちゃんと「おっと・・・私の精神状態、かなりよろしくない(^-^;」とか「あれ?私、もしかして、この人のこと、実は好きじゃない?」などと気付いて、自分で自分の心をケアしたり、その人と距離を置くなど、工夫をしてみてください。

 

 

伝え方のヒント

息子は小さい頃、口を閉じずにクチャクチャと音をたてて食べる時期がありました。

そんな時でも「クチャクチャ食べない!」と怒鳴りたくなる気持ちをグッとこらえて(怒鳴りたくもなりますよ!だって毎食毎食クチャクチャ食べるんですもん・・・)

「口を閉じて静かに食べようね。」と、繰り返し繰り返し言い続けることで、口を閉じて静かに食べられるようになりました。

×「クチャクチャ音たてない!」

×「クチャクチャ食べない!」

〇「口を閉じて、静かにたべようね。」

受け取り方は、きっと違いますよね。

何なら、ご飯の味まで変わってしまうかもしれない。。

もし、これが外食(ちょっといいレストラン)だったとしたら、「クチャクチャ音を立てない!」と言っているお母さんは、子供だけでなく、周りの席の方にも迷惑になります。

でも、優しい声で「口を閉じて静かに食べようね」と言っているお母さんは、同じことを教えていても、決して周りの迷惑にはなりません。

これは食事以外にも共通することで、

× ホテルのロビーは走らない!

〇 ホテルのロビーは 歩こうね♪

だって、そうです。

伝え方や、言葉の選び方は、とても大切です。言葉と声を選んで(意識して)発するというのは、正直キツイ時もあります。ですが、これらは慣れるまで訓練をして習得する価値はある!と、実感しています。

なぜって? 息子が反抗期(思春期?)になった今、この「否定しない」伝え方が、本当に役立っています。

 


 

こんな記事を書いている私ですが、実はマナーゼロの両親に育てられたので、ホテルに勤務するまでは、行儀作法や一般常識すら知らないマナー最低女でした。

親の間違った「教え」のお陰で、私が学生時代に どれだけ友人にバカにされ、友達が減ったかは、ここに書くのを躊躇われるほどです(涙)

「ともちゃんと一緒にいると恥ずかしい」とまで言われたくらいです。

でも、そんな時でも、私に正しい事を教えてくれた人もいました。

その教え方も、カチンとくる言い方をする人もいれば「教えてくれて ありがとう」と心から感謝できる言い方をしてくれる人もいました。

結局、出来ない&知らない私が一番悪い事に変わりはありませんが、それでも、やはり言い方や言うタイミングによって、同じ事を言っても伝わり方が全く違うんですね。

自分が言われる側にならないようにすることも大切ですし、言う側になるときも、言い方やタイミングは考えるべきです。

こういう「本当のマナー」をホテルでは沢山習いましたし、惚れ惚れする程の一流の女性にも沢山お目にかかりました。

これからも、思い出すことがあれば お伝えしていきたいと思います。